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2019年12月10日

「正論」という名の錦の御旗(技術者会総括)

毎年恒例の「祭屋台等制作修理技術者研修会」に参加する為に大津市へ行って参りました

京都の祇園祭や長浜祭の曳山に引けを取らない立派な曳山で有名な大津の祭りは10月ですが今回はあくまで「研修」
ですので祭屋台などの修復に携る各地の職人さん等が集まって講義を受けたり実地研修するわけです、二日間かけて

前から大津の曳山は凄い飾り金具があると聞いていたので一度この目で見たかったので良い機会、、、と言いたいところですが内心、気が重かったのも正直な気持ち

ここに詳細を書きたいところですがそうしたところで何かが変わるわけではなく、なのであえてその点については触れません
勿論、二日目の実地研修は錺金具を目の当たりする事が出来たりと有意義な内容であったのですべてがネガティブであったわけではないのですが、初日の講義に関しては直接的には自分自身の仕事に対して、ではないにしても責苦のような時間が多々ありまして

今回は前例の無い「戦場」ではなく「船上」つまりフェリーの上での研修という事もあってか、デッキで受ける風の何と冷たく感じたコトか、、、

「正論」という名の錦の御旗(技術者会総括)



とはいえ一方的に言われるばかりではやはり悔しい
本当なら交流会の席で言いたかったことは山ほどあるのです

だけど反論したところで相手は文化財修復の現場においてイニシアティブを握っている立場の人間であり申しているのは紛れもなく「正論」

「あなた方職人にかかっているのです」

と他のお偉い方も、勇気を振り絞ってそうしなさい、とおっしゃいましたが勇気や正論だけでは食えないのも現実
それを我慢しろと言えるのも御上という安全な場所に居るからこそ、ではないですかね

祭り屋台といっても各地域で特色も仕様も違うわけで、文化財指定されたからといってすべてにその「正論」を当てはめるのはあまりにも乱暴すぎ

組の人が喜んでくれればそれが一番じゃないかと思うのですが「正論」を盾にして「直すな」「変えるな」と脅されたら「モノを作る」技術はどのように伝承していけばいいんでしょうかね

後継者不足、と言われる今の世の中で「保全」することだけに意識を向けていてはいずれ「作る技術」はおろか本当の意味での「修理する技術」も廃っていくはず

結局のところ、我々のような下請けの立場である「職人」はそういった「正論」に黙って従うか、他の道を選ぶか
どちらかしかないわけです

学者は所詮、学者
机上の空論、とまでは申しませんがモノを生み出すわけではなく頭の中だけでモノを動かそうとしているだけの、、、おっと言葉が過ぎましたね、失礼

何をおっしゃるのも自由ですがあなた方に言われずとも先人の作った技術に敬意を払いそれを出来る限り良い状態で次の時代へ残していければ、という思いは常に持って仕事をしているつもりですので何もやましい事はございませんから



それにしても翌朝の琵琶湖の景色の何と清々しいことか

「正論」という名の錦の御旗(技術者会総括)



さて、仕事しよ


【追伸】

Kさん
講義の初頭「高山で話した内容を覚えてない」とおっしゃってましたがご安心ください
見事なまでにその時と同じ内容、同じようなスライドショーでしたよ、あっぱれ

この十年余のスタンスの変わらなさに脱毛、、、いえ、脱帽です


(一部編集)

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Posted by フワです at 16:55│Comments(0)金具屋旅の空から
 
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